【Book】池上彰の「経済学」講義 ニュース編 覇権をめぐりお金が武器に
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GATOです。
本日は池上彰著の『池上彰の「経済学」講義 ニュース編 覇権をめぐりお金が武器に』。こちらの本をご紹介します。2015年4月に角川マガジンから発売された本です。
*Introduction
池上彰(池上彰)
1950年生まれ。ジャーナリスト。東京工業大学教授、愛知学院大学経済学部特任教授。慶応大学卒。1973年にNHKに入局。1994年より11年間、週刊こどもニュースのお父さん役として活躍。2005年よりフリーになり、多くの著書を手がける。現代のニュースを若い世代にわかりやすく説明することから、情報系テレビ番組に多く出演。
もしいきなり難しい本は、、、などと考えている人は池上彰著書の本を検索してみてください。とてもわかりやすく、経済や政治、世界問題などなど幅広く分かりやすい説明がなされている本が沢山あります。
*summary
日々流れるニュースを経済の視点から読む解く、池上彰の「経済学」講義。お金を武器に、覇権を争ってきた戦後の世界。リーマン・ショックをはじめ、冷戦終結後の資本主義の暴走、宗教と経済の関係などから、21世紀の世界を考える。愛知学院大学の講義を本にしているものなので、生徒との対話も含んだ講義形式の本です
*Contents
→Index
1 石油をめぐる地政学
2 お金が商品になった-ブレトンウッズ体制の崩壊-
3 リーマンショックが生まれた理由
4 EUとユーロ-理想と現実的-
5 金融政策の方法とは?-日銀とFRBの役割-
6 宗教と経済の関係を読む
7 企業の成長と衰退を考える-スターバックス、マイクロソフト、アップル、アマゾン-
→Spoiler
いくつかindexの内容を紹介していきます。
1 石油をめぐる地政学
現代社会において、石油は重要なエネルギー源です。石油を売る側、買う側のさまざまな思惑が経済的に大きな影響を与えます。
ロシアとウクライナは宗教や言語の違いから仲があまりよくません。よってロシアからのウクライナへの天然ガス供給が止められました。ウクライナを通る天然ガスのパイプラインはヨーロッパにつながっています。もしウクライナがパイプラインを止めたら、、、ヨーロッパの国々は焦り石油を代わりに使おうかと考えはじめます。
1973年にイスラエルとエジプトやシリアなど中東アラブ諸国の間で起きた第4次中東戦争。これにより中東の石油産出国が石油の減産を宣言し、原油価格が高騰するオイルショックが起こりました。日本ではトイレットペーパーの買い占めが起きた。1人ひとりがやると、結果的にその通りのことが起きてしまうこの現象を-予言の自己実現-と言います。
OAPEC アラブ石油輸出国機構 がイスラエルを応援する国には、石油は売らないよと宣言しました。日本は省エネモードに入り、ここで様々な省エネ製品が誕生し、日本経済は非常に効率的な産業構造になっていきました。また原子力発電もこの時に力を入れて推進。福島の原発はアメリカ産のもの。日本の土地にあっていない製品だから、地震にやられてしまった。日本の土地にあったものにconfusionすることが大切ですね。ただ石油は止められては困るということで、油乞い外交が行われました。
元々石油産出国は貧しい国が多かった。でもオイルマネーによって豊かになりました。ただ周辺の石油が出ない国はどんどん貧しくなっていく。貧しい人の不満が高まった。アッラーという世界をお創りになった神様の前ではすべての人が平等だという教えに還ろうという考え、イスラム原理主義が彼らの中で生まれた。
アメリカはシェール大国。シェール革命により、液化天然ガスでお金を儲ける技術を開発していきます。そして中東の石油はそこまで重要ではなくなっていきました。
オルムズ海峡やマラッカ海峡を通るシーレン。燃料を運ぶのにとても重要な海の道です。これらも使えなくすることで、国際情勢が動きます。
ロシアは売る側を探す。日本に売ろう!でも北方領土問題で少しいざこざしている。だからそう簡単にはいかない。ヨーロッパはウクライナを通るパイプラインが不安だから中東から石油を買うようになる。
様々な思惑が石油には孕んでるんですね。
2 お金が商品になった-ブレトンウッズ体制の崩壊-
第二次世界大戦後の経済をどう回そうか。アメリカは戦争中から考えていました。戦争の場になったヨーロッパは経済も疲弊しました。経済的に力を持っていたイギリスも疲弊。世界のお金を作ろうということになり、イギリス側ケインズ案のバンコールというバーチャル通貨とアメリカ側ホワイト案のドルの世界的使用。経済的に強いアメリカの案が採用され、現在のようなドルが世界のお金になりました。
ドルが世界のお金なら、ドルは円だと何円の価値なの?という話になります。その時に固定相場制の採用、通称ブレトン・ウッズ体制です。
アメリカはフォートノックスに金を沢山持っています。だからいつでも金に交換できますよ、という信頼を持っていた。東西冷戦やベトナム戦争を経て、金を大量に使用し国内の金が激減しました。この時に起きたのがニクソン・ショック。しかしドルに代わるものはなかったので、今もドルが中心です。
金に換えられないお札はただの紙切れです。だけどドルより強いものはない。ドルの価値を下げよう、ということで変動相場制になりました。
変動相場制により、お金そのものが商品になった。取引のうちで起こる損を少しでも減らす保険のような役割のオプション取引。本来の目的から派生してできた金融商品をデリバティブ取引。お金を安く仕入れて高く売る。それで利益を得ます。
3 リーマンショックが生まれた理由
2008年アメリカの大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破綻したことをキッカケに、世界的な経済危機が起こりました。
キーワードは
債権の証券化。
ゴールドマンサックスは投資銀行大手であり大きな利益を上げています。リーマン・ブラザーズが大きく活躍していた時にアメリカで住宅バブルが崩壊します。それを機に、リーマン・ブラザーズが倒産。アメリカは大きな会社が倒産したことで金融不安に陥ります。そしてニューヨクの株式市場の大暴落。大きな政府である民主党が積極的に市場経済に介入することでアメリカは経済の立て直しを図ろうとした。などなど
根拠のない金融不安は経済を停滞や悪い方向に持っていく。金融不安を起こさないことの重要性がわかります。
4 EUとユーロ-理想と現実的-
ユーロ危機の発端として、ギリシャの粉飾決算や彼らの国民性がありました。
ユーロにはPIIGSが経済危機を引き起こすと言われています。Portugal、Ireland、Italia、Graecia、Spainは財政状態が不安定な国々。
EUは世界的な平和を願って作られた。EUの旗の星が12個の理由は12が完璧なる数である。EUに加盟していない国やシェンゲン協定のみの国、ユーロを採用していない国もあります。ユーロを使用している国はお札は、世界に開かれているシンボルの門です。紙幣は中央銀行、硬貨はそれぞれの国が発行しているみたいです。
5 金融政策の方法とは?-日銀とFRBの役割-
日本における三本の矢。大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略。それを中心に金融政策の方法についてご紹介しています。
印象的な言葉として
金融におけるタカ派とハト派
タカ派は強硬、急進。ハト派は穏健、慎重。
6 宗教と経済の関係を読む
ユダヤ人の迫害の歴史と今に続くアラブ人との対立。
ユダヤ人は4つの福音書の中の一つで、イエスを処刑へ導いたとされている。だから強欲な高利貸しのイメージがある、金融業の仕事をユダヤ人がやることになりました。そして金融の仕事でユダヤ人が成功しました。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が信じる神は同じです。
PIIGSはいずれもプロテスタントの国ではありません。プロテスタントの国は経済で成功しやすいのねす。カルヴァン派信者は神から与えられた仕事を一生懸命やれば、天国に行けるのだと考える。だから勤勉に働くようです。プロテスタントはヨーロッパでカトリックからの迫害を受け、アメリカを目指しました。そして現在の資本主義が発展していきました。プロテスタントの倫理が富の絶対化に向かっていきました。
イスラム教は産時制度により今後最大の宗教となっていくでしょう。ハラルの概念を知ることが重要となります。豚肉や豚肉を使った食器などで調理はしない。アルコールは一切使わない、みりんも使わない。またイスラム教による経済の発展にも違いがある。彼らの取引には必ずものが介在します。商売は良いが利息はとってはいけないという教えからだそうです。
7 企業の成長と衰退を考える-スターバックス、マイクロソフト、アップル、アマゾン-
ビルゲイツ、スティーブ・ジョブズ、ジェフベゾスは明確な目標と、未来を洞察する力がある。彼らから学ぶ企業の成長を考えられる章になります。
それでは最後に
経済状況や社会現象を経済学的に分析するという視点をもつ
それでは
Chao!
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